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【特別講演】不動産トラブル解決の新資格!調停人

≪セミナー内容早わかりレポート≫ 一般社団法人日本不動産仲裁機構 広報部

不動産関連トラブルの中でも、特に「敷金トラブル」と「サブリーストラブル」に関するトラブルの背景やトラブルを解決できる調停人について解説したセミナー「不動産トラブル解決の新資格!調停人」のポイントをレポートします。
<セミナー概要>
セミナータイトル:不動産トラブル解決の新資格!調停人
数多くの敷金、サブリース関連トラブルの相談を受け、解決に導いてきたNPO法人日本住宅性能検査協会の大谷昭二理事長をお招きし、不動産トラブルと調停人の関わり等についてご講演いただきました。

開催日時:2017年11月5日(日)14時00分〜15時00分
開催場所:LEC渋谷駅前本校

<講師:大谷 昭二 氏プロフィール>
・NPO法人日本住宅性能検査協会 理事長
・サブリース問題解決センター センター長

<コンテンツ>

1.敷金に関して賃貸人と賃借人の間で起きるトラブル
2.サブリース契約に関してオーナーとサブリース事業者の間で起きるトラブル
3.敷金に関するトラブルを解決する資格「敷金診断士+調停人」
4.サブリース契約に関するトラブルを解決する資格「サブリース建物取扱主任者+調停人」
1.敷金に関して賃貸人と賃借人の間で起きるトラブル

<トラブル例>

●原状回復費用を大幅に超える多額の請求を賃貸人からされていた
●多数の破損があったにも関わらず、退去時に見合った費用を払ってもらえなかった
●正当な理由がなく賃貸人から敷金が返還されない

(1)敷金に関するトラブが発生する理由

契約に関する問題や賃借人の確認不足

まず「賃貸側に有利につくられる契約条項の問題」があります。さらに、この契約内容に関し、賃借人がはじめにしっかりと内容を確認しない等も理由として挙げられます。

賃貸住宅経営に詳しくなくても事業に参入できる情勢

加えて、最近のトラブル増加の原因として低金利時代を反映した賃貸住宅投資策と素人経営者の出現という問題があります。この低金利政策は、預金者の銀行預金を賃貸用住宅建設へと投資させる傾向を生じさせています。民間賃貸住宅経営に関連するハウスメーカー、信託銀行、農協の業者らは土地所有者に対し賃貸住宅経営の観点から土地活用を勧めるにあたり、次の手法によりこれまで賃貸住宅経営に全く素人であった土地所有者を賃貸住宅経営に向かわせています。

原状回復に関する正しい理解が浸透していない

原状回復について、賃貸人も賃借人も、正しく理解をしていないケースが多くあります。例えば、原状回復とは、単に古くなった物を取替たり、新品にして戻すことではありません。「通常の使用」をしていれば敷金から控除される要素はないのです。ただし、賃借人が、「通常の使用を越える使用」によって壊されたり、汚されたり損耗した場合はその修繕費用は賃借人の負担と考えられます(民法400条)。

(2)改正民法(2020年施行予定)によるさらなる混乱が起きる可能性

2017年5月に成立した改正民法では敷金の在り方も大きく関わってきています(敷金の返還義務明文化)。新しい法制度になることにより、さらなる混乱や、それを基にしたトラブルが起きることが予想されます。

<改正民法における賃貸住宅に関する変更点>

@住宅設備故障時の家賃減額(新法611条「賃借物の一部滅失による賃料の減額」)
A借主による修繕費用を貸主が負担(新法607条の2「賃借人による修繕」)
   B敷金の返済義務を定義(新法621条「賃借人の原状回復」)
C個人保証の限度額を設ける(新法465条の2「個人根保証契約の保証人の責任」)

→敷金に関して賃貸人と賃借人の間で起きるトラブルを解決するのが、「敷金診断士+調停人」のライセンスを持った存在です。

2.サブリース契約に関してオーナーとサブリース事業者の間で起きるトラブル

<トラブル例>

●サブリース事業者からの減額請求の内容が納得できない
●勝手に本来は必要のない修繕工事を行われた
●強引な手法でサブリース契約を結ばされてしまった

(1)オーナーが注意したいサブリースのデメリット

サブリースのデメリットとしては、「オーナーの思い通りに賃貸経営ができない」「サブリース契約内容をきっかけとしたトラブルが発生してしまう」というケースがあります。

<サブリースのデメリット>

@建物管理、修繕などについて不動産会社が指定した業者、仕様となる場合がある
A入居審査は不動産会社が行うため、問題ある賃借人がトラブルを起こす場合がある
B賃料は基本的に長期間一定でなく、5年毎の賃料見直し条項などで、長期家賃保証を避けているケースもある
C中途解約リスクやサブリース事業者の経営破たんリスク

(2)サブリースを事業者として行う際に、資格は必要とされていない

不動産仲介などを扱うのであれば、「宅地建物取引士」等の資格が必要であるのに、同じく不動産経営の提案であり、長期間オーナーと付き合うことになる「サブリース」については、「その業務を学んだ証の証明」となる資格が必要ではないのです。

(3)オーナー選ぶべきサブリース事業者とは

選択するサブリース事業者を誤らなければ、メリットも多いサブリース契約。オーナーが選択すべきサブリース事業者は次になります。
@サブリースをめぐるオーナーとサブリース事業者のトラブル事例を知っている事業者
Aサブリース経営について、正しい知識を持ち、それをオーナーに説明できる事業者
B長期事業収支計画を適切に立てることのできる事業者
C適切なサブリース契約締結についての知識や経験のある事業者

→サブリース契約に関してオーナーとサブリース事業者の間で起きるトラブルを解決するのが、「サブリース建物取扱主任者+調停人」のライセンスを持った存在です。

3.敷金に関するトラブルを解決する資格「敷金診断士+調停人」

(1)敷金診断士とは

「敷金診断士」とは、不動産賃貸における敷金・保証金を巡るトラブルの解決を図る専門家として、特定非営利活動法人日本住宅性能検査協会が認定する資格です。客観的な第三者の見地から、賃貸物件の適正な原状回復費用の査定を行い、適正な敷金・保証金の返還の実現に努めています。

(2)敷金診断士が調停人なるとできること

トラブル解決のための資格「敷金診断士の本領」を発揮することができる

従来、敷金診断士の業務は原状回復費用の査定を主とするものであり、調停等、当事者同士のトラブル解決まで踏み込むことは弁護士法において禁止される「非弁業務」となってしまうものでした。しかしADR調停人になると、合法的にトラブル解決まで実施できるようになります。

トラブル相談を業務メニューにできると共に報酬が発生する

敷金トラブルに関する相談受付も、ADR調停人となり、両者間の解決を目指すよう指導するのであれば、業務として法に定められた報酬を得ることができます。敷金診断士の活動を通して蓄積された様々なノウハウを、収入に変えることができるようになります。

今後予定されている「改正民法」による混乱を収める

2017年5月に成立した改正民法。3年程度の周知期間を経て施行されると考えられますが、この改正には敷金の在り方も大きく関わってきています。新しい法制度になることにより発生すると予想されるトラブルにも対応することができます。

4.サブリース契約に関するトラブルを解決する資格「サブリース建物取扱主任者+調停人」

(1)サブリース建物取扱主任者とは

「サブリース建物取扱主任者」は、サブリース契約のスペシャリストとして不動産オーナーに安心とワンランク上のサブリース提案を提供することのできる専門家です。サブリース契約の基本になる「長期事業収支計画」策定のポイントはもちろん、リスクを伴うことのあるサブリース契約におけるコンプライアンス、企業の社会的責任、説明義務についてもあらためて学びます。

(2)サブリース建物取扱主任者が調停人なるとできること

サブリースに関するトラブルを解決できる能力があるため、不動産オーナーからサブリース事業者として選ばれる

サブリース契約に関して、不動産オーナーの中には何かトラブルが起こるのではないかと不安に考えている方も多いと考えられます。したがって、サブリース事業者として「サブリース関連トラブル解決の専門性」をPRすることで、不動産オーナーにとって適切なサブリース契約についての見識がある会社として、他のサブリース事業者と差別化をすることができます。

他サブリース事業者とのトラブルを相談されることをきっかけとして、サブリース案件を受注をすることができる

ADR調停人のライセンスがあれば、会社の業務メニューとして「サブリース関連トラブル解決」をうたうことができます。これができれば、例えば不動産オーナーと他サブリース事業者間のトラブルなどの相談受付や解決をきっかけとして、サブリース契約の受注につなげることができます。

サブリースに関するトラブル解決において報酬を得ることができる

不動産オーナーと他サブリース事業者間で発生するトラブル。これの解決のための相談受付や調整業務は、本来弁護士でない者が費用を受け取って実施できる業務ではありません。慣習的に行っているこの業務についても、合法的に費用を受け取り実施することができます。


当機構は、全国の法律家及び不動産流通に関わる各分野の専門団体とのネットワークによって形成される民間ADR機構です。弁護士、司法書士によって組織される法律委員と、建築士、その他の専門資格所持者、学識経験者によって組織される専門委員によって構成されています。不動産の取引・施工・その他のトラブルについて、ADR(裁判外紛争解決)手続きによって、適正かつ迅速に解決することを目的とします。

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