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ADRに係わる論説、コラム・調停事例

サブリースの問題点
(日本不動産仲裁機構サブリース無料相談から見えたもの)
相談委員 大谷昭二 平成24年5月
日本不動産仲裁機構
相談委員 大谷昭二
<家賃減額請求権の問題点>
多くの人は、アパート経営を勧める大手不動産業者の「一括借り上げシステム(サブリース)」という言葉に惹かれて投資を考える。アパートの建築契約を交わせば、業者側が部屋を借り上げるしくみで、「30年間保証」などといううたい文句によって「30年間、投資物件の家賃が保証されるのではないか」と考えるわけである。

しかし、このシステムは部屋を借りることを保証するだけで、家賃額を保証するものではない。一定期間のみ家賃を保証し、その後は市況によって家賃を調整することになる。築5年もすると、借地借家法により家賃減額請求権があると称して減額を迫ってくる。特に築10年以上になると、減額に応じなければ、契約解除をチラつかせてくる。

当事者間の契約に安易に介入して、当事者が当初から予想していた効力を否定することは妥当ではないが。契約の趣旨・目的、サブリースの趣旨と目的に照らせば、借地借家法32条は本件契約には適用されないと解すべきではないかと思う。契約後の賃料相場の変動が予想に反したことによってサブリース会社が被害を被ったとしても、その予想を誤ったことによる不利益は賃料保証と全リスクの負担を標榜したサブリース会社において甘受すべき筋合いとされてもやむを得ないというべきである。

この点について、「建物の使用収益とそれに対する対価の支払いという賃貸借契約の要素がある以上、本件契約では当然に借地借家法が適用されるべきである」と主張するだろうが、しかしながら、これらの契約が借地借家法が典型的に予定する借家契約とは異なる面があることは否定のしようがない。本件契約の借地借家法の規定が適用されるかどうかは、契約締結の経緯、契約条項の実質的な意義内容等を検討して当事者の意思に照らして、本件契約が借地借家法の予定する建物賃貸借としての実体を備えているかどうかという観点から実質的に決めるべきである。

借地借家法32条の背後にある社会的弱者としての賃借人保護という要請が働かない。

これは、賃貸人よりも賃借人のほうがはるかに大きい企業ですから働かないという事情を考慮すれば、少なくとも同条が適用を予定する建物賃貸借としての実体を備えていないというべきである

最高裁の判例で総合事業受託方式だったら借地借家法の適用がなくて、賃貸事業受託方式だったら借地借家法の適用があるというふうに2つの判断があるが。このように判断するのは危険だろうと思っている。要するに、このサブリース契約がどういう趣旨で行われたかによって単なる借地借家法とは別の、いわゆる利益を確定させる一種の不動産の運用契約なのだと考えるか、借地借家契約なのだと考えるかという問題ですから、むしろ、契約が締結された経緯がいかなるものかということで判断すべきものだと理解するほうが正しいのではないかと考える。

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