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深刻化しているサブリース問題(3)
最高裁補足意見<家賃減額は、「当初予想収支」を損なわない程度>
相談委員 大谷昭二 平成24年8月11日(土)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

過去には不動産サブリース契約にはそもそも借地借家法はて適用されないとする議論もあったが、一連の最高裁判決により、「契約形式が不動産に関する賃貸借契約である以上、借地借家法を適用すべき」という結論はほぼ動かなくなったと評価されているが、平成16年11月8日付最高裁におけるサブリース裁判のうち、滝井裁判官が補足意見として呈示した家賃減額は、「当初予想収支」を損なわない程度とした。すなわち賃貸人の当初予想していた利益が確保できる程度の賃料額まで保護するものとなっている点は、特筆すべきものがある。ただ、未だに、賃貸人「オーナー」から当協会にこの2年間で100件を超える賃料減額にかかわる相談を受けており、この問題の深刻さが伺える。この相談の中から見えたこのシステムの欠陥を浮き彫りにし、あるべき「衡平」の見地に照らした賃貸人の保護規定の提案を行う

I 不動産サブリース問題の原状

(1)不動産サブリースと被害実態
被害実態
・物件築年数が4年目にもかかわらずサブリース会社から賃料減額を迫られた。
・物件築年数が12年で、いきなり契約解除の申し入れがあった。
・物件築年数が6年にもかかわらず、やむなく賃料減額に応じたが、その半年後にも再度賃料減額の申し入れがあった。
・サブリース会社からの太陽光発電パネルの設置・セキュリティ設備の設置工事の要求を拒否すると、いきなり賃料減額の申し入れがきた。
・物件築年数が15年で、賃料減額を迫られた。この家賃収入では月々の銀行返済が不可能なので、意図的にデフォルトしたい。競売を覚悟した。
・サブリース業者の本部から各支店長宛に、築10年過ぎの物件には、減額請求に応じないオーナーには[終了プロジェクト]と称して「内容証明書」を積極的に使用し、契約解除を迫る指示内容のメールを見て、サブリース業者の姿勢に驚愕した。(このメール(H23.8.10付け)は懇意にしている善意の営業マンから会社の指示だとしてオーナーに秘密裏に提供された)


(2)勧誘時のセールストーク
<オーナーにおけるメリットを強調>
・不動産会社が一括管理してくれるため、知識がなくとも賃貸物件を建てる事ができる。
・賃借人に対しての対応は全て不動産会社が行なうため、オーナーが対応しなくてもよい。
・空室があっても空室分も保証され、オーナーに支払われる。
・賃借人の原状回復は不動産会社または提携・管轄する管理会社側が責任を持つ。
・マンション建設費用は、賃料収入で長期的に回収可能であり、ローン金利は経費に計上できるので節税効果ある。
このようなセールストークを受けた土地所有者は、不動産賃貸業の経験が無くても、手間をかけずに継続的に安定した資産運用になると信じて契約に至る。


続く(第4回予定は2012年9月11日更新予定)

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