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深刻化しているサブリース問題(6)
不動産サブリースに関する規制
相談委員 大谷昭二 平成24年11月10日(土)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

1.不動産サブリースに関する現行法上の規制

不動産サブリース業について、契約弱者たるオーナー【賃貸人】を保護する直接の規制は現行法上存在しない。

(A)消費者契約法
不動産サブリースに関する契約を「消費者契約」(消費者契約法2条3項)といいうるかが問題である。オーナーは、反復継続的に賃料収入という一定の利益を得るために契約の当事者となるから、反復継続的に賃料収入という一定の利益を得るために契約の当事者となるから、個人であっても「事業として又は事業のために契約の当事者となる場合」とされるおそれがある。
しかし、[事業]は目的の営利・非営利を問うものではない。日本弁護士連合会消費者問題対策委員会編「コンメンタール消費者契約法(第2版)」【商事法務、2010年】は、「事業」について、「それを行っているものが当該契約について情報の質、量及び交渉力に相手方当事者より高いレベルにあると判断される場合であり、一応の定義をしたとしても各契約の実態に合わせて柔軟に解釈すべきである」とする。マルチ商法や内職商法などでも、反復継続的に一定の利益を得るために契約がなされるものであるが、これらの取引契約を消費者契約でないとすることは明らかに不当であるう。
オーナーが、何棟ものマンションをもって賃貸業を営んでいるような場合であればともかく、初めてマンションの建築契約を行うなどの場合については、オーナーの属性や、勧誘の状況にもよっては、消費者契約法の適用が十分検討できるものと思われる。

(B)特定商取引法
少なくとも1棟目のマンションを建築する場合には、オーナーは、建物の建築請負契約締結時点では営業は開始していないし、事業者との間には、非常に大きいな情報量と交渉力の格差が存在するのであり、まさに不招請勧誘による契約の押付けを救済する場面であるといえる。
このような点からすれば、不動産サブリースを前提とする建築請負契約であっても、オーナーの属性や勧誘状況などにより、特定商取引法を適用する余地が十分にありうるといえる。

(C)借地借家法
貸主たるオーナーではなく、むしろ、借主たるサブリース業者の保護に与えられる社会立法である。

(D)国土交通省の取り組み
不動産サブリース業の規制を立法する前段階として「賃貸住宅管理業者登録制度」をスタートさせた。 2011年9月30日に公布され、同年12月1日に施行された国土交通省告示に基づく制度であり、登録・抹消の手続等を定める「賃貸住宅管理業者登録規定」と、登録業者のルールを定める「賃貸住宅管理業務処理準則」から成り立っている。実効性としては、登録業者が業務処理準則に反しても、法律でないので罰則はない。

(F)ビジネス構築責任論
不動産サブリースは、不動産会社が構築したプランに地主を組み込んでいくもの、ビジネスモデルを構成する契約では個々に契約書が作成されるわけではなく、約款が中心となります。約款は、多数者を相手とするものであり、それ自体が一方的なものです。組み込まれる側は、契約を押付けられるだけで変更の余地がありません。まさしく、契約的には弱者であり、一方的に拘束されることになってしまします。さらに、当事者には情報の格差があり、また、交渉力にもおおきな差があります。しかも、このビジネスは、その限りではなく、共同事業や継続的関係として続いていくのです。利益追求のためのシステムであることから、構築されたシステムには、欠陥が必然的に内在しているといえます。事業の基本である不動産業者が保証した賃料が入りません。そうしますと、構築者の相手方共同事業者との紛争が生じます。このような、ビジネスモデル【システム】の欠陥から生ずる損害【リスク】の責任は、構築した側でおうべきことは当然ではないでしょうか。ビジネスモデルを構築し、相手方を契約関係に組み込みを拘束しておいて、そのシステムの欠陥の責任を転嫁することは許されないでしょう、たとえば製造物責任の分野では、自ら製造または販売した製造物に欠陥があれば、損害賠償責任があります。自ら構築したシステムに欠陥があれば、構築者に責任があるのではないでしょうか。システムが成り立っている事業計画について、事前説明と保証義務を認めるべきです。


続く(第7回予定は2012年12月10日更新予定)

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