日本不動産仲裁機構は、住宅産業に起因する紛争の公平かつ簡易・低廉な解決を目的としています。

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論説・コラム

深刻化しているサブリース問題まとめ1
<賃貸人の保護規定の提案>
相談委員 大谷昭二 平成24年12月10日(月)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

深刻化しているサブリース問題まとめ1

日本住宅性能検査協会は、建築を巡る紛争予防および解決を目的とする第三者機関として2004年4月に設立され、有識者による八つの専門研究会と弁護士との提携によるADR日本不動産仲裁機構によって構成されている。当協会には、サブリース契約を結ぶ不動産オーナーから、わずか1年半足らずで100件を超える賃料減額にかかわる相談が寄せられており、不動産サブリース問題の深刻さがうかがえる。この相談のなかからみえた不動産サブリース契約の欠陥を浮き彫りにし、あるべき「衡平」の見地に照らした賃貸人の保護規定の提案を行う。

 不動産サブリース契約においては、賃借人兼転貸人が専門的業者(サブリース業者)、賃貸人たるオーナーが当該専門業者に誘引されて契約した素人であり、賃貸人が契約弱者であるというケースが多い。しかし、契約弱者である賃貸人を保護する直接の規制が、現行法上では存在しない。逆に、オーナーとの関係において借主にあたるサブリース業者が借地借家法のもとで保護されるという、いびつな関係が生じている。
 過去には、不動産サブリース契約はそもそも借地借家法の適用外とする議論もあったが、一連の最高裁判決により、「契約形式が不動産に関する賃貸借契約である以上、借地借家法を適用すべき」という結論がほぼ動かなくなったと評価されている。だが、サブリース裁判を巡る最高裁判決(04年11月8日付)において滝井繁男裁判官は補足意見として、家賃減額は「当初予想収支」を損なわない程度と呈示した。すなわち賃貸人の当初予想していた利益が確保できる程度の賃料額まで保護するものとなっている点は、特筆すべきものがある。
 滝井裁判官の補足意見は、賃料減額請求における「相当賃料額を決定するにあたっては、賃貸借契約の当事者が賃料額決定の要素とした事情を総合考慮する」という最高裁の一般基準を前提にしながら、各事例における考慮要素そして、賃貸人の当社予想収入、および、これに基づく銀行借入れに対する返済計画を決定的に重視している。一方で、減額請求時における建物賃料相場を実質的にはほぼ考慮していない。
 また、考慮の結果としての上記補足意見および判決の結論は、賃貸人が計画どおりの返済を果たすに足りる程度の賃料額を保護するにとどまらず、「当初予想収支」を損なわない程度、すなわち賃貸人の当初予想していた利益が確保できる程度の賃料額まで保護するものとなっている。

続く(第8回予定は2013年1月10日更新予定)


当機構は、全国の法律家及び不動産流通に関わる各分野の専門団体とのネットワークによって形成される民間ADR機構です。弁護士、司法書士によって組織される法律委員と、建築士、その他の専門資格所持者、学識経験者によって組織される専門委員によって構成されています。不動産の取引・施工・その他のトラブルについて、ADR(裁判外紛争解決)手続きによって、適正かつ迅速に解決することを目的とします。

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