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深刻化しているサブリース問題まとめ2
<賃貸人の保護規定の提案>
相談委員 大谷昭二 平成25年1月8日(火)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

深刻化しているサブリース問題まとめ2

不動産サブリース契約において、賃借人からの期間内特約条項が記載されている場合、同条項の合理的解釈、ないし信義則の問題として、不動産サブリース契約の「衡平」論が考慮されるべきと考えられる。不動産サブリース契約における「衡平」とは、1.賃貸人の「当初収入予測に対する信頼」と、2.「当初収支予測に基づく多額の資本投下」をその議論の中心に位置付けるべきであり、3.賃料相場の下落は原則として賃貸人が信頼した当初予測を損なわない限りで考慮されるにすぎない。賃貸人の当初収入予想に反するサブリース業者の早期撤退は、同条項にかかわらず衡平の見地に照らし否定すべき場合がありうると考えられる。
不動産サブリース契約を巡って多くのトラブル事例が発生していることをふまえれば、契約弱者たる賃貸人の保護規定を整備することは喫緊の課題である。この場合、第一に、不動産サブリース契約の締結段階において、専門業者らが賃貸人となる者に対し、どのような説明義務を負うか、また適合性原則等のその他の規範に服するかが重要な論点である。第二に、不動産サブリース契約締結後、契約の履行、解消段階において、どのような規律が適切かについて、検討していく必要がある。
 消費者保護や不動産契約等に関する現行規制のもとでの適用可能性を検討するとともに、不動産サブリース契約における賃貸人保護規定の提案を行う。
1.賃貸住宅管理業者登録制度
2.消費者契約法
3.特定商取引法
4.借地借家法
5.ビジネス構築責任論
これらの保護規定を立法措置で講じると、以下のようになる。
(1)賃貸住宅管理主任者登録制度、サブリース業者のオーナーに対する営業保証金制度を含む義務的登録制度
(2)不実告知・重要事項の不告知、断片的判断提供の禁止と違反の場合の取消権付与
(3)事業収支計画と現実の収支が齟齬した場合の差額を損害と推定する規定の導入
(4)賃貸借契約書特約条項に契約の基盤となった「事業収支計画」を遵守する旨を記載
(5)サブリース業者からの家賃減額請求、契約更新時の新家賃取り決めにおいては融資金融機関との三者協議とする
(6)サブリース業者からの期間内の契約解除は、融資金融機関との三者協議とする
(7)サブリース業者と一定の提携関係にある建築業者の連帯責任を求める
 この提案の(4)、(5)、(6)は新規賃貸借契約、更新賃貸借契約において双方の合意で可能である。これらを契約書に盛り込むことによって、いまの無防備な賃貸人を守り、これから、あるべき「衡平」の見地に照らした賃貸人の保護する規定の一歩となるであろう。


(完)

(次回コラム予定は2013年2月10日更新予定)


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