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日本版リバース・モーゲージのメリットとデメリット(1)
住宅投資の活性化及び高齢者消費需要の喚起
相談委員 大谷昭二 平成25年2月18日(月)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

日本版リバース・モーゲージのメリットとデメリット(1)

住宅投資の活性化及び高齢者消費需要の喚起

近年わが国では、少子・高齢化に進行に伴い、老後の生活を支える公的年金の制度、給付内容の見直しが行われています。将来において、公的年金の役割が「老後の豊かな生活の保障」から「必要最低限の生活水準の保証」へと変わっていく可能性があります。国民は、老後に豊かな生活を送るために、公的年金を補完するための有力な手段を個人的に確保しなければならなくなります。
そのような手段の1つとして、自宅に住み続けながらその自宅(建物+土地)を担保として融資を受け、融資期間終了時に担保不動産の処分によって融資金を一括返済するリバース・モーゲージの制度が、最近わが国で注目されつつあります。ある金融機関では、前年同月比20%の伸びを示しています。また、住宅販売業者・リフォーム会社・保険会社・介護サービス会社等は営業戦略の一つとしこの金融商品を利用しています。
リバース・モーゲージは利用者に融資を行う事業でありますが、実際には単なる融資業務にとどまらず、様々な機能の組み合わせなくしては成立し得ない事業であります。
このリバース・モーゲージは複雑な制度であり、かつ利用者は高年齢であるため、中立的な第三者の立場にあるカウンセラーがリバース・モーゲージを利用とする高齢者に十分な情報提供を行うことが不可欠であります。特に、リバース・モーゲージにはメリットだけでなくデメリットもあるということを認識させることにより、高齢者が自らの老後の生活を支える手段としてリバース・モーゲージを利用するかどうかを決断できるよう、適切なアドバイスを行うことが必要です。

1)国・自治体・金融機関のリバース・モーゲージ制度

<国>
・国土交通省の「高齢者の住み替え支援制度」
・厚生労働省、都道府県社会福祉協議会を実施主体として実施をはじめた「長期生活支援資金貸付制度」
・住宅金融支援機構のリバース・モーゲージ「高齢者向け返済特例制度」
<自治体>
・世田谷シルバー資金融資制度(東京都世田谷区)
・福祉資金貸付事業(東京都武蔵野市)
・ふれあい福祉資金あっせん融資事業(兵庫県伊丹市)
・高齢者くらしの充実資金貸付(兵庫県神戸市)
<金融機関>、
・東京スター銀行の新型リバース・モーゲージ「充実人生」
・三井住友信託銀行のリバース・モーゲージ(住宅担保型老後資金ローン)
・朝日信託のリバース・モーゲージ信託
<NPO>
NPO特定非営利活動法人住宅福祉サービス

2)リバース・モーゲージの利用目的

1. 住宅ローンを含む負債の返済(毎月の返済を終了する)
2.毎月の収入
3.住宅の補修、リフォーム・バリアフリー費用
4.介護サービスに対する支出(老人ホーム等)
5.万一の緊急時に対する構え
6.旅行や新車購入によるライフスタイルの改善等

3)リバース・モーゲージとは

リバース・モーゲージ(Reverse mortgage)は、高齢者向けのローンで、自宅の土地建物を担保に年金型の融資を受け、契約者の死亡時に担保物件を売却して一括返済する制度です。通常の住宅ローンの借入残高が年々減少して行くのとは逆に、借入残高が年々増加して行く形となるためリバースモーゲージ(=逆抵当融資)と呼ばれています。
土地・不動産を持っているものの収入の無い高齢者の場合、生活資金などを調達しようとして自宅を処分してしまうと、住む所を失ってしまいますが、リバース・モーゲージでは、自宅を処分することなく、自宅を担保にして融資を受けることができ、老後の生活の安定を図ることができます。そして、一般的には、契約者の死亡時に、担保物件を売却するなどして一括返済する形となるため、住み慣れた自宅に終身住むことが可能です。
リバース・モーゲージの融資は、金融機関によって、1ヶ月ごとや、1年ごと、一括など、様々な形があり、返済は死亡時に一括返済で、毎月利息のみを払う形のものや、利息も死亡後の一括返済に含まれるため返済が一切ないものなどもあります。
核家族化などにより、自宅を残すことが必ずしも喜ばれることであるとは限らない現状などがあるため、リバース・モーゲージを活用する事例は増えてきています。
リバース・モーゲージは高齢者を対象にしたローンで、主に米国で利用されており、不動産などを担保にして金融機関から資金の融資を受け、契約者の死亡時に担保物件を売却することで資金の回収が行われます。
(続く)

(次回コラム予定は2013年3月10日更新予定)


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