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日本版リバース・モーゲージのメリットとデメリット(2)
「ハウスリッチ、マネープアー」から脱却
相談委員 大谷昭二 平成25年3月20日(水)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

日本版リバース・モーゲージのメリットとデメリット(2)

「ハウスリッチ、マネープアー」から脱却

リバース・モーゲージはその制度の特徴上、担保となる不動産の価格が下落することにより、融資限度額が変動します。デフレのときは融資額が減っていき、インフレのときは融資額が増えていきます。マンション建て替えの資金調達の選択肢の1つとして、このリバース・モーゲージの制度利用の可能性が生まれてきたのではないかと考えられます。

マンションの建て替え問題はこれから深刻で、これからますます社会問題化します。

我が国で建てられたマンションの数は560万戸を超え(平成21年末時点)、また築30年のマンションが100万戸をついに超えました。これは、20年後には築50年のマンションが100万戸を超えることを意味します。いったい何が大変なのか。マンションの建て替えがうまく進まないということです。

なぜマンションの耐え替えが進まないかというと、理由はいろいろありますが、一番大きいのは、資金的な問題です。マンションの建て替えを実現するためには当然、解体費や建設費などを捻出しなければなりませんが、これを、みんなが足並みをそろえて出すことができるケースはほとんどなく、実際には「等価交換」によるものが大半だということです。

この「等価交換」は建て替えをしたら今より建物が大きくなり、余剰分を販売することによって、所有者が建て替え資金を捻出することなく、かつデベロッパーがリスクをとって事業を行えるという前提があって初めて成立します。法的には、5分の4が賛成すればマンションの建て替え決議は可能ですし、反対する人の権利を買い取ることもできます。しかし現実問題として、実際の現場では、買い取り価格を吊り上げられてしまったり、「ここで一生を終える」とおっしゃる高齢の方、現実問題として建て替え費用が捻出できない方がいるなどの、さまざまな理由から、マンションの建て替えがうまく進まないのです。このような状況を受けて、平成22年度に発表された国土交通省成長戦略では、マンションの建て替えを進めるべく提案がなされていますが。ここではまず資金調達面でのリバース・モーゲージの基本的な知識について述べて、このマンション建て替え問題についても言及していきます。

リバース・モーゲージは、自宅はあるものの現金収入の無い高齢者が融資を受けることができるだけでなく、自宅を売らずに済むため、住み慣れた自宅に生涯住みながら生活資金が得られるというメリットがあります。制度の目的としては、融資という形を取り老後生活の安定を図ることや、高齢者の自立支援があげられ、また、老人ホームなどではなく、住み慣れた住居で生活をし続けたいという高齢者の希望も叶えます。条件を満たした高齢者が自己所有の土地建物を担保とし、金融機関から融資を受け、契約者の死亡などにより融資契約が終了すると、担保物件の売却などにより、一括返済・精算が行われる仕組みとなっています。住宅金融支援機構のリバース・モーゲージ「高齢者向け返済特例制度」のように、満60歳以上の高齢者が、居住している住宅のバリアフリー工事や、耐震改修工事を施すリフォームを行う場合に目的が限定されているリバース・モーゲージもあります。リバース・モーゲージには、国や自治体によるものや、民間の金融機関によるものなどがあり、住宅の建て替えや、住宅のバリアフリー工事、耐震改修工事を施すリフォームを行う場合などに融資用途が限定されているものから、用途自由なものまで、様々なタイプがあります。通常のローンのように利息や元本を返済する必要がないため、借入金は年月と共に増えて行き、最終的には、契約者の死亡時に担保である住宅物件を売却することで一括返済する逆抵当融資となります。この制度を利用すれば、持ち家はあるけれど収入は少なくなる高齢者が住み慣れた住宅を手放すことなく、融資を受けることができ、老後の生活の安定を図ることが可能となります。相続する親族が居ない高齢者、土地や住居となる建物は所有しているが収入の少ない高齢者、資産や住宅を子供には残さず生きているうちに自分で利用したい人などにも、この制度の利用が考えられます。(続く)

(次回コラム予定は2013年4月10日更新予定)



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