日本不動産仲裁機構は、住宅産業に起因する紛争の公平かつ簡易・低廉な解決を目的としています。

ADRとは業務内容業務の流れ主なADR実績組織図

ADRに係わる論説、コラム・調停事例

新たに認定制度が始まった「低炭素住宅」とは(2)
相談委員 大谷昭二 平成25年10月1日(火)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

新たに認定制度が始まった「低炭素住宅」とは(2)

<不動産市場を通じた低炭素建物の普及拡大に向けて>
<環境不動産の普及を促進する契約条項:グリーンリース>


低炭素建築物に普及を拡大するためにはテナント事業者の役割も重要です。そのためには、規制的な手法に加え、建物物における省エネ投資がエネルギーコスト削減だけではなく、それが生み出す環境的な価値について不動産市場において評価され、低炭素な建築物が不動産取引を通じて普及拡大していく状況を作り出していく必要があります。それは例えば、低炭素な建築物に対して優先的に投資資金が供給されたり、テンナト事業者が低炭素建築物を選択して入居するような状況です。テナント事業者の中には、環境性能の優れた建築物への入居意向を示すものがありますが、入居先の選定基準として活用できるような情報が十分にないことを挙げるテナント事業者も少なくありません。テナントビルのオーナーは、テナント事業者の意向に大きく影響を受け、テナント事業者の低炭素建築物に対する選考が明確になれば、ビルオーナーも低炭素建築物への投資も取り組みやすくなります。平成24年3月に東京都環境局が500社のテナント事業者に行ったアンケート調査結果はビルオーナにとりかなり示唆に富んだ内容です。

例えば 設問1.不動産物件を検討する場合、物件情報や賃貸情報などの基本情報以外に確認する不動産情報は <回答>1位:耐震・防災・BCP機能 2位:共益費の内訳 3位:水光熱費のデータ・使用量の開示状況 4位: 設備の省エネ情報
設問2.環境不動産の普及が必要な理由《回答》1位:地球温暖化対策に取り組む必要があるから 2位:今後エネルギーコストが増加し、省エネが一層需要になる 3位:経済・社会の持続的な発展に必要だから。
設問3.環境不動産への入居の理由 《回答》1位:水光熱費などのコスト削減 2位:CSR(企業の社会的責任)の一環 3位:環境規制の強化への予防的対応・リスク回避
4位:快適な職場環境による人材確保や生産性の向上。
設問4.省エネ・環境性能で重要視するものは 1位:設備のエネルギー性能が高い
2位:CO2の排出量が少ない3位:建物の断熱性能が高い 4位:リサイクルや廃棄物の減量対策がなされている5位:再生可能エネルギーを利用している
■ 環境不動産の普及を促進する契約条項
設問:賃貸借契約の中に、どのような契約条項があれば環境不動産の普及が促進されると思いますか



もっとも関心の高かった選択肢は、Bテナントの省エネ努力に対する共益費の見直しや一部返還(69.8%)で、ついで、Dテナントが実施した省エネ投資に関する原状回復義務の免除(56.4%)、C専用部のエネルギー使用量・単価の開示や透明性の確保(52.0%)、@共用部の水光熱費の開示などの透明性の確保(43.6%)の順となっています。最も関心の高い選択肢Bは、唯一、具体的なコスト削減(費用の返還)と項目となっていることが影響していると考えられます。選択肢Dの原状回復の免除がインセンティブとなるという回答が6割近くあることが注目されます。
欧米ではビルのオーナーとテナントが協力して省エネや環境配慮に対する取り組みにあたり、双方が努力するための合意事項を賃貸借契約に含める事例が拡大しています。つまり「グリーンリース」ついてですが、例えば@テナントの省エネ協力に対する対価を求めるAオーナーの投資環境による省エネ効果の一部をテンナトがオーナーに還元する等です。日本においてもこれらに関するオーナーとの定期的な会議の設置等、テナント事業者の環境配慮への意識が生まれようとしています。

以上

当機構は、全国の法律家及び不動産流通に関わる各分野の専門団体とのネットワークによって形成される民間ADR機構です。弁護士、司法書士によって組織される法律委員と、建築士、その他の専門資格所持者、学識経験者によって組織される専門委員によって構成されています。不動産の取引・施工・その他のトラブルについて、ADR(裁判外紛争解決)手続きによって、適正かつ迅速に解決することを目的とします。

ADRとは | 業務内容 | 業務の流れ | 主なADR実績 | 組織図 | 会員規約 | 行動基準 | 個人情報保護方針 | 団体概要
ご相談の受付 | 主な相談者の声 | 論説・コラム・調停事例 | 協力弁護士の募集 | 不動産業界関連ガイドライン
Copyright © Nihonhudousanchusaikikou all copyrights reserved.