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太陽光発電等普及が進む再生可能エネルギー利用の現状と課題及び今後の展望(1)
相談委員 大谷昭二 平成25年12月5日(木)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

太陽光発電等普及が進む再生可能エネルギー利用の現状と課題及び今後の展望(1)

<太陽光発電補助金申請「既築」は前年比約43%減>

エネルギー資源が少ない日本で注目される太陽光や風力、バイオマス、地熱など自然の力による再生可能エネルギー。政府は社会全体で普及・拡大させるため、昨年7月に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」をスタートさせました。制度導入から約1年が経過しました。国土交通省等の資料を見ると、2012年時点の住宅ストック数は約5000万戸です。太陽光発電システムの普及はここ数年で急拡大したとはいえ、全国平均の普及率は3.3%でしかありません。この時点でまだ国全体の発電量に占める割合は1.6%に過ぎず、前年度から0.2ポイントの増加にとどまっています(資源エネルギー庁)。種類別の内訳をみると、バイオマスと風力が各0.5%、地熱が0.3%、太陽光が0.4%です。太陽光は2011年から倍増して、再生可能エネルギー全体の増加分の殆どをカバーしました。がここに来て太陽光について新たな問題点が露出してきたと感じられます。

太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)が8月6日に、2013年4〜6月の住宅用太陽光発電補助金の申し込み件数などのデータを公表しました。それによると申請件数は約3万9,000件(前年同期比約30%減)であり、新築が約16%増も既築住宅は約43%減と初めて減少に転じました。申請件数が前年同期比で大きく減っていることに驚きましたが、新築住宅が堅調に伸びている一方で、既築住宅が大幅に減少しているのは、どのような状況であるのか、非常に気になるところです。都道府県別でも、申請件数の上位・下位に関わらず、殆どの都道府県で既築住宅が満遍なく減っており、全国的な傾向であることが伺えます。

データを見ると1〜3月に件数が増え、4〜6月に件数が減ることが分かります。このような傾向が生まれるのは補助金の対象期間が、ある年の4月から翌年の3月末となっており、翌年の4月には補助金の額が引き下げられるからです。例えば、2012年度は1kw当たりの補助金単価が、1kw当たり3万5000円または3万円でしたが、2013年度は同2万円または1万5000円に減額されています。従って1月〜3月に駆け込み需要が発生し、その反動で4月〜6月期は減少します。

このような理由があるにしても産業用の需要が活況な一方で、住宅用に大幅な陰りが見えているのは意外な状況であり、既築住宅への普及において、何か根本的な壁が現れつつあるのではないでしょうか。


国民生活センターが2012年度に住宅用太陽光発電システムに関して受けた相談件数は約4,400件(同年度の補助金申請件数の1.3%程度に相当)でした。高額な設備だけに、既築住宅でのトラブル増加が影響しているのではないかと懸念しましたが、4割以上の減り具合をみると、それだけでは説明できないと思われます。

既築住宅における販売の8割は訪問販売といわれています(財団法人新エネルギー財団)。

原因の1つとして、これらの販売会社のコストパフォーマンスに問題があるのではないでしょうか。これは売電価格が下がってユーザーのメリットを出すために売価を下げざるをえないこと、メーカーからの仕入れが若干下がっても販売のボリュームのスケールが縮小したために利益が圧迫されていること、量販店やインターネットの価格と比較する見込み客が増えたため利益を確保できなくなったこと等が理由として挙げられます。服部順一氏(太陽光発電アドバイザー)は「販売会社でも商社並みの利益しか確保できない為、経営難に陥る企業が増えている。また、消費者に対してコンプライアンスの問題もあり買取期間が10年では、初期投資回収が確実とは言えない状況であり、営業活動に支障をきたしている」、そのことで「多くの販売会社は利益確保の為、既築住宅向け販売から、産業用に向かっているようだ」と指摘しています。この業界はまだ歴史が浅く10年越えの販売会社は全国にもほとんどなく体力もない。また、参入がしやすい為か2年以内の倒産率が高くなっています。(続く)


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