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論説・コラム

日本版リバース・モーゲージのメリットとデメリット(3)
リバース・モーゲージの今後
相談委員 大谷昭二 平成25年4月24日(水)
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会
理事長 大谷昭二

日本版リバース・モーゲージのメリットとデメリット(3)

高齢者にとっては生涯住み慣れた家に住み続けることができ、安定した融資を受けられるため、とてもメリットが大きいのですが、リバース・モーゲージの問題点としては、不動産の立地条件や規模や状況で融資額が異なるため、希望通りの融資が得られないこともありますし、不動産の評価が低いエリアの場合は融資額も低くなってしまったり、地域が限られてしまうといったことがあげられます。

相続者にとっては不動産を相続できないにも関わらず、不動産の相続税と売却益による所得税を払う必要が生じるなど、デメリットもあるようです。相続できる親族が相続をあてにしていた場合などにトラブルになったりすることもあり、相続者の了解が得られない場合に融資してもらえないこともあるという問題点もあります。

相続人が居ない場合や、相続を必要としない場合には問題ありませんが、トラブルを避け、高齢者の豊かな老後を支援するためにも、課題解決が望まれるところです。

リバース・モーゲージが普及しているアメリカのように、リバース・モーゲージ債権を政府系の住宅金融機関である米連邦抵当金庫が買い取って、資金調達を支援、信用補完する仕組みなど、リバース・モーゲージの制度の普及を促進するためのシステムや、金融機関に対して、地価下落・金利上昇・借り手が長生きして担保割れ、といった際の保護制度なども、日本のリバース・モーゲージの普及のための課題といえるでしょう。

リバース・モーゲージの担保物件としては、土地付きの建物に限定している所が多く、所有していてもマンションでは融資を得られない場合が多いようです。

マンション住まいでも、土地付きの建物物件を所有している場合には、リバース・モーゲージを利用することが可能となることが多いようですが、所有の土地付き住居に住んでいない場合には、融資額が少なくなる場合もあります。但し、リバース・モーゲージによっては、所有しているマンションで土地が無くても、融資が受けられる場合があります。

日本のリバース・モーゲージの先駆けである武蔵野市では、担保物件は、建物、土地、マンションなどで、マンションも可能となりますが、マンションの場合には築年数などの条件があります。

リバース・モーゲージを利用することで、高齢者は住み慣れた自宅に生涯住みながら生活資金を年金のように得ることもできますし、高齢者に不向きな自宅を担保にし、そのまま自宅を保有したまま高齢者用のマンションに住み替えることを可能にしているリバース・モーゲージもあります。

また、国土交通省の「高齢者の住み替え支援制度」の場合、自宅を借り上げてもらい自宅の主体が、広い賃貸住宅が必要な子育て世代に賃貸するという形で、生涯の生活資金が確保できた上で、高齢者に住みやすいマンションなどに住み替えが可能となります。

資金の使用用途が自由のリバース・モーゲージの場合、海外旅行などの資金として使用することができますし、リバース・モーゲージの融資を利用して海外生活をすることも可能です。

特に、東京スター銀行の新型リバース・モーゲージ「充実人生」は、55歳から80歳までの人(配偶者がいる場合は配偶者が50歳以上)が対象で、自己名義の一戸建てを担保に借り入れることで、必要な時に何度でも融資してもらえ、使用用途も自由ですから海外生活に役立てることが可能です。

東京スター銀行の新型リバース・モーゲージの融資金の用途としては、生活費・リフォーム費用・医療費・万一の場合の備え、借り入れの返済、住み替え・ケアハウスへの入居、別荘・セカンドハウスの購入、旅行、海外長期滞在など好きなことに使用することができるので、海外にセカンドハウスや別荘を購入し、季節に合わせて自宅と行き来する、といった用途に使用することも可能です。

リバース・モーゲージはその制度の特徴上、担保となる不動産の価格が下落することにより、融資限度額が変動します。つまりデフレのときは融資額が減っていき、インフレのときは融資額が増えていきます。今回このアベノミクスが効果を現し適正な景気循環になれば、リバーズ・モーゲージに参入する金融機関も増えるものと思われます。また、自宅を貸し出し、老後の生活資金や住み替えの原資を得る「マイホーム借上げ制度」が注目を集めています。年金収入の伸びが見込めないなか、自宅を活用した資金作りに関心が高まりそうです。(完)

(次回コラム予定は2013年5月10日更新予定)



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